軌跡と覚書

神学と文学を追いかけて

ヨハネの手紙第一 覚書き(2)手紙の背景について

 前回少しお話した通り、奉仕の準備としてヨハネの手紙第一を学んでおりまして、私個人のノートをそのまんま公開しております。(↓前回)

balien.hatenablog.com

 今回は、この手紙の背景についてです。本論に入るまでは先が長いですね(笑)。

トピック

  • はじめに(続き)
    • B.手紙の背景
      • 1.執筆年代と執筆場所
      • 2.執筆背景に関する内的証拠
      • 3.執筆背景に関する外的証拠
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ヨハネの手紙第一 覚書き(1)手紙の著者について

 ヨハネの手紙第一の聖書研究の奉仕をさせていただけることになり、ここのところずっとその準備に取り組んでいます。仕事の合間を縫ってちょっとずつ進めているのですが、聖書のひとつの書にこれだけの時間を費やしてじっくり読み、学んでいくのはとても久しぶりです。
 中々「聖書における『イスラエル』の意味」の研究を進めることができていませんが、じっくり聖書のテキストと向き合っていく時間は中々貴重で、楽しく、とても恵まれています。
 奉仕の中ではとても自分で準備した情報を全て分かち合うことはできませんが、せっかくですので準備の際につくっているノートをブログの場を用いてシェアできたらと思います。
 まずは手紙本論に入る前に、何回かに分けて著者、執筆背景、手紙の構成などの事前情報をまとめていきます。

トピック

  • はじめに
    • A.著者
      • 1.内的証拠
      • 2.第四福音書との関係
      • 3.外的証拠
      • 4.手紙の著者に関する結論
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聖書における「イスラエル」の意味(7)ローマ人への手紙11:26について:その2

 前回から、ローマ人への手紙11:26の「全イスラエルが救われる」ということの意味を考えてきています。

balien.hatenablog.com

 今回はその続きとなります。トピックは以下の通りです。

  • 3.新約聖書における「イスラエル」の意味(続き)
    • 3–3.ローマ人への手紙11:26(続き)
      • 前回からの流れ
      • 3–3–3.11:25-26に時系列的順序は見られるか
      • 3–3–4.「異邦人の完成のなる時」と「全イスラエルの救い」
      • 3–3–4.まとめ
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聖書における「イスラエル」の意味(6)ローマ人への手紙11:26について:その1

 前回の記事(↓)に続き、新約聖書における「イスラエル」の意味について議論が分かれている箇所について考察していきます。

balien.hatenablog.com

 今回から2、3回連続で、ローマ人への手紙11:26の「全イスラエルが救われる」という句の意味について考えてきます。
 トピックは以下の通りです。

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聖書における「イスラエル」の意味(5)ローマ人への手紙9:6について

 前回では、新約聖書での「イスラエル」の登場箇所を示し、そのほとんどの箇所において旧約聖書の「イスラエル」の(民族的イスラエルという)基本的意味からは逸脱していない、ということを確認しました。

balien.hatenablog.com

ですが、その中には「いくつかの議論が分かれる箇所」が存在しています。今回はそのひとつとして、まずローマ人への手紙9:6について考察していきたいと思います。

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