軌跡と覚書

神学と文学を追いかけて

終末論と聖書預言に関する参考文献(4)イスラエル論

Arnold G. Fruchtenbaum. Israelology: The Missing Link in Systematic Theology. Revised edition. Tustin, CA: Ariel Ministries, 1992.

  • Michael Vlach曰く、「イスラエルの過去、現在、将来を扱った出版物の中では最高の本」。

John H. Sailhamer. The Pentateuch as Narrative: A Biblical-Theological Commentary. Grand Rapids, MI: Zondervan, 1992.

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終末論と聖書預言に関する参考文献(3)携挙論

Gleason L. Archer, Jr., ed. Three Views on the Rapture: Pre-, Mid-, or Post-Tribulation. Grand Rapids, MI: Zondervan, 1996[1984].

  • 安心と信頼の実績、ZondervanのCounterpointsシリーズ!

Alan Hultberg, ed. Three Views on the Rapture: Pretribulation, Prewrath, or Posttribulation. Grand Rapids, MI: Zondervan, 2010.

  • 安心と信頼の実績、Three Views on the Raptureの改訂版。
  • 患難期前携挙説側として、このシリーズでPremillennialismもやっていた漸進的ディスペンセーション主義の旗手、Craig Blaisingさんが参戦!
  • 患難期中携挙説はまさかの降板! 新たにPre-wrath Raptureを引っさげたAlan Hultbergさんが、序論で「前回の明確な敗者は患難期中携挙主義者のArcherだけだったね」と扱き下ろした上で参戦だ!
  • そして、患難期後携挙説からは、「俺の論は更新する必要がない」と歴戦の勇士にふさわしい自信に満ち溢れたDouglas Mooさんが再登場だ!
  • ……冗談はさておき、単に新しいからというだけではなくて、中でなされている議論の流れとかがこの2010年版の方が好き。でも改定前のThree Viewsがふまえられているので、やっぱり両方読んでおきたいところ。
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終末論と聖書預言に関する参考文献(2)千年王国論

John MacArthur and Richard Mayhue, eds. Christ’s Prophetic Plans: A Futuristic Premillennial Primer. Chicago: Moody Publishers, 2012.

  • 千年期前再臨説といっても、この立場の間では歴史的千年期前再臨説(Historic Pre-millennialism)とディスペンセーション主義千年期前再臨説(Dispensational Pre-millennialism)との間で激しい論争が繰り広げられている。
  • この本は後者の立場(本書ではFuturistic Premillennialismと呼ばれている)を主張している。Futuristic Premillennialismは宗教改革の伝統にフィットしているのか、というようなことを扱う章もあり、面白い。患難期前携挙説に関する章もあるよ。

J.Dwight Pentecost. Things to Come: A Study in Biblical Eschatology. Grand Rapids, MI: Zondervan, 1964.

ジョージ・エルドン・ラッド『終末論』安黒務訳(いのちのことば社、2015年)

岡山英雄『小羊の王国──黙示録は終末について何を語っているのか』改訂版(いのちのことば社、2016年)

  • ラッドの『終末論』と合わせて、千年期前再臨説・患難期後携挙説の終末論ではどのような方法で聖書解釈がなされ、またどのような点が強調されているのかを理解するのに良い本。
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終末論と聖書預言に関する参考文献(1)解釈論

聖書神学舎教師会編『聖書信仰とその諸問題』(いのちのことば社、2017年)

  • 福音主義の保守的聖書信仰(いわゆる聖書の「無誤性」を信じる立場)の再主張となっている本。

D.A. Carson, ed. The Enduring Authority of the Christian Scriptures. Grand Rapids, MI: Eerdmans, 2016.

John MacArthur, ed. The Inerrant Word: Biblical, Historical, Theological, and Pastoral Perspectives. Wheaton, IL: Crossway, 2016.

バーナード・ラム『聖書解釈学概論』村瀬俊夫訳(聖書図書刊行会、1963年)

  • 「もう古い」と言われるかもしれないが、やっぱり福音主義の聖書解釈を考える上では読まざるを得ないでしょう。
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私の読書(7)山本健吉『正宗白鳥─その底にあるもの─』

こんなブログでも、閲覧してくださる方々がいらっしゃるのは、本当に有り難いことだ。当ブログのアクセス解析を覗いてみると、最もアクセス数が多いのは「遠藤周作の『沈黙』について」で、その後にはイスラエル、聖書信仰、ディスペンセーション主義に関する記事が続いている。タイムリーな本や、神学的にタイムリーな話題を扱えばアクセス数がぐんと跳ね上がるのは重々承知しているのだが、いつもいつもそういった話題を追いかけるのは疲れる。せっかく趣味で始めたブログなのだから、その時々考えていること、また自分が好きな話題で細々と書き続けていきたいと思う。

そこで、今回も懲りずに正宗白鳥である。ただし、最も最近読んだのは白鳥本人の作ではなく、白鳥に関するいわゆる作家論だ。山本健吉正宗白鳥──その底にあるもの──』(昭和50年)は、白鳥の死後13年が経って刊行された。

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