軌跡と覚書

神学と文学を追いかけて

終末論と聖書預言に関する参考文献:目次

クリスマスおめでとうございます! と言いながら、クリスマスと全く関係ない記事であれですけど。

今回は、今のところ千年期前再臨説(premillennialism)と患難期前携挙説(pretribulationism)に立っている筆者から見た、終末論と聖書預言に関するおすすめ参考文献をご紹介したいと思います。なんせ、この立場から……というより、このトピックに関して紹介されている参考文献一覧は、日本語サイトだと見かけないもので。あと、備忘録も兼ねてですね。

このブログを始めた目的のひとつは、せっかく英語文献から勉強できる恵みをいただいたものですから、それで学んだことを発信して還元していきたいな、というものでした。まだ全然できておりませんが、こうやっておすすめ文献の目録をつくることも、小さな還元になるのかなと思っております。

同じ立場の方々に対してもそうですし、違う立場の方々が千年期前再臨説、患難期前携挙説、非置換神学などについて調べるとき、参考になるものを提示したいと思っています。(というか、私自身、千年期後再臨説とか無千年期説とかに関する有益な参考文献リストが日本語でほしい……と常々思っているもので。)

まだ不十分な目録ですが、今後も逐次、地味〜に更新していきたいと思っております。

トピック

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終末論と聖書預言に関する参考文献(4)イスラエル論

Arnold G. Fruchtenbaum. Israelology: The Missing Link in Systematic Theology. Revised edition. Tustin, CA: Ariel Ministries, 1992.

  • Michael Vlach曰く、「イスラエルの過去、現在、将来を扱った出版物の中では最高の本」。

John H. Sailhamer. The Pentateuch as Narrative: A Biblical-Theological Commentary. Grand Rapids, MI: Zondervan, 1992.

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終末論と聖書預言に関する参考文献(3)携挙論

Gleason L. Archer, Jr., ed. Three Views on the Rapture: Pre-, Mid-, or Post-Tribulation. Grand Rapids, MI: Zondervan, 1996[1984].

  • 安心と信頼の実績、ZondervanのCounterpointsシリーズ!

Alan Hultberg, ed. Three Views on the Rapture: Pretribulation, Prewrath, or Posttribulation. Grand Rapids, MI: Zondervan, 2010.

  • 安心と信頼の実績、Three Views on the Raptureの改訂版。
  • 患難期前携挙説側として、このシリーズでPremillennialismもやっていた漸進的ディスペンセーション主義の旗手、Craig Blaisingさんが参戦!
  • 患難期中携挙説はまさかの降板! 新たにPre-wrath Raptureを引っさげたAlan Hultbergさんが、序論で「前回の明確な敗者は患難期中携挙主義者のArcherだけだったね」と扱き下ろした上で参戦だ!
  • そして、患難期後携挙説からは、「俺の論は更新する必要がない」と歴戦の勇士にふさわしい自信に満ち溢れたDouglas Mooさんが再登場だ!
  • ……冗談はさておき、単に新しいからというだけではなくて、中でなされている議論の流れとかがこの2010年版の方が好き。でも改定前のThree Viewsがふまえられているので、やっぱり両方読んでおきたいところ。
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終末論と聖書預言に関する参考文献(2)千年王国論

John MacArthur and Richard Mayhue, eds. Christ’s Prophetic Plans: A Futuristic Premillennial Primer. Chicago: Moody Publishers, 2012.

  • 千年期前再臨説といっても、この立場の間では歴史的千年期前再臨説(Historic Pre-millennialism)とディスペンセーション主義千年期前再臨説(Dispensational Pre-millennialism)との間で激しい論争が繰り広げられている。
  • この本は後者の立場(本書ではFuturistic Premillennialismと呼ばれている)を主張している。Futuristic Premillennialismは宗教改革の伝統にフィットしているのか、というようなことを扱う章もあり、面白い。患難期前携挙説に関する章もあるよ。

J.Dwight Pentecost. Things to Come: A Study in Biblical Eschatology. Grand Rapids, MI: Zondervan, 1964.

ジョージ・エルドン・ラッド『終末論』安黒務訳(いのちのことば社、2015年)

岡山英雄『小羊の王国──黙示録は終末について何を語っているのか』改訂版(いのちのことば社、2016年)

  • ラッドの『終末論』と合わせて、千年期前再臨説・患難期後携挙説の終末論ではどのような方法で聖書解釈がなされ、またどのような点が強調されているのかを理解するのに良い本。
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