聖書の物語と契約(5)主の日・契約の成就・被造世界の回復
前回、ダビデ契約の成就──メシアの到来と彼の王国の確立──において、それまでの諸契約の成就、そして被造世界の回復がもたらされることを見た。この契約の成就と被造世界の回復と密接に関係しているのが主の日である。預言書で幾度も登場するこの概念は、聖書的契約を考える上で絶対に外すことができない、重要なものとなっている。
これから新しい契約を理解するためにも、主の日について考えておかなければならない。なぜなら、主の日において(またはその後で)実現する契約の成就と被造世界の回復は、新しい契約を通して実現するからだ。今回、なるべく包括的に主の日について見ていくことで、次回から新しい契約を取り上げるための準備運動としたい。
- 【主】の日について
- 【主】の日の特徴
- 【主】の日・契約の成就・被造世界の回復
聖書の物語と契約(3)ダビデの王国とダビデ契約
聖書に出て来る有名な「契約」について、その契約が書かれている箇所を前後の文脈をふまえて学ぶということには、恥ずかしながらそれほど力を入れてこなかった。サムエル記第二7章および歴代誌第一17章に出て来る「ダビデ契約」をそのように学んだのも、聖書的契約に関心を持ち始めてからさらに後になってのことである。
だから、ダビデ契約とアブラハム契約、モーセ契約との関係というのは、それほど立体的には見えていなかった。そして、ダビデ契約というのが聖書においていかに重要な概念であるかということも、あまり呑み込めていなかった。
今もさほど分かってはいないと思うが、それでも前に比べたら、ダビデ契約の大切さが実感できるようになってきたと思う。そんな今の理解を、ここでお分かちさせていただきたい。
続きを読む聖書の物語と契約(2)アブラハム契約とモーセ契約
私がこれまで聖書を教わってきた中では、神の計画におけるアブラハム契約の重要性がかなり強調されてきた。その重要性は、創世記3:15における「女の子孫」の約束との関わりも考えるうちに、心の中でますます大きくなってきている。
しかし、モーセ契約とアブラハム契約の関わり、そして神の計画におけるモーセ契約の役割や重要性といったものは捉えられていなかった。今でも十分に理解できているとは言えない。それでも、特にモーセ五書全体を見通す中で、徐々にこの契約とそこに含まれるモーセの律法に与えられている役割の大きさが見えてきたと思う。本稿では、アブラハム契約とモーセ契約をセットで扱うことで、両者の重要性と神の計画における役割について、私が現在理解できていることをご紹介したい。
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