軌跡と覚書

神学と文学を追いかけて

イスラエル論

非置換神学者による注解書リスト〔随時更新〕

突然ですが、聖書研究の上で注解書は役に立ちますよね。私の場合は原語知識が乏しいので、New American CommentaryとExpositor's Bible Commentary(Longman and Garlandの改訂版)を中心にして、他のもっと詳しい注解書ともっと読みやすい(適用中心の)注…

「ユダヤ人伝道は必要ない」?(再考:おわりに)

これまでのまとめ これまで、4つの記事に分けて「クリスチャンによるユダヤ人伝道は、反ユダヤ主義の一形態なのか?」ということを再考してきました。今回は「おわりに」として、少しばかり感想を書かせていただきました。

「ユダヤ人伝道は必要ない」?(再考:その4)

今回のトピック はじめに 5.メシアニック・ジューという存在について 6.教会の反ユダヤ主義とユダヤ人伝道の関係性 はじめに あるSNS上での「クリスチャンによるユダヤ人伝道は、反ユダヤ主義の一形態である」という発言を受けて、ユダヤ人伝道の必要性…

「ユダヤ人伝道は必要ない」?(再考:その3)

今回のトピック はじめに 4.「神の民」について はじめに あるSNS上での「クリスチャンによるユダヤ人伝道は、反ユダヤ主義の一形態である」という発言を受けて、ユダヤ人伝道の必要性について再考し始めました。その理由は、第一に、私自身がいつか「ユダ…

「ユダヤ人伝道は必要ない」?(再考:その2)

今回のトピック はじめに 2.全ての人に対する信仰の必要性 3.ユダヤ人と信仰の関係 はじめに あるSNS上での「クリスチャンによるユダヤ人伝道は、反ユダヤ主義の一形態である」という発言を受けて、ユダヤ人伝道の必要性について再考し始めました。その…

「ユダヤ人伝道は必要ない」?(再考:その1)

トピック はじめに ユダヤ人伝道は反ユダヤ主義の一形態? 議論を始める前に 1.用語の定義 (1)ユダヤ人 (2)教会 (3)クリスチャン (4)用語の定義に基づく考察 はじめに ユダヤ人伝道は反ユダヤ主義の一形態? 最近、SNSで「クリスチャンがユダ…

メシアニック・ジュー運動に関する参考文献紹介

「メシアニック・ジュー運動」(Messianic Jewish Movement)はキリスト教界全体をリードする運動ではない。しかし、キリスト教界において「メシアニック・ジュー」たちの存在感は日に日に大きくなっている。近年では聖書神学の分野における彼らの貢献も目立…

終末論と聖書預言に関する参考文献:目次

クリスマスおめでとうございます! と言いながら、クリスマスと全く関係ない記事であれですけど。 今回は、今のところ千年期前再臨説(premillennialism)と患難期前携挙説(pretribulationism)に立っている筆者から見た、終末論と聖書預言に関するおすすめ…

終末論と聖書預言に関する参考文献(5)終末預言

トピック エゼキエル書38–39章 七十週の預言(ダニエル書9章24–27節) その他終末預言関係

終末論と聖書預言に関する参考文献(4)イスラエル論

Arnold G. Fruchtenbaum. Israelology: The Missing Link in Systematic Theology. Revised edition. Tustin, CA: Ariel Ministries, 1992. Michael Vlach曰く、「イスラエルの過去、現在、将来を扱った出版物の中では最高の本」。 John H. Sailhamer. The P…

終末論と聖書預言に関する参考文献(2)千年王国論

John MacArthur and Richard Mayhue, eds. Christ’s Prophetic Plans: A Futuristic Premillennial Primer. Chicago: Moody Publishers, 2012. 千年期前再臨説といっても、この立場の間では歴史的千年期前再臨説(Historic Pre-millennialism)とディスペン…

イスラエルにとって本当に必要なもの

知人のFacebookの投稿で、ユダヤ人伝道団体であるONE FOR ISRAELのブログから、以下の記事がシェアされていました。 www.oneforisrael.org 福音派のクリスチャンの中には、イスラエルへの支援やユダヤ人伝道に関心を寄せている者が少なくありません(そして…

2つの解釈学、2つのストーリーライン

前回の記事で、米国Master's Seminaryの神学教授であるMichael J. Vlach博士の新著He Will Reign Forever: A Biblical Theology of the Kingdom of God (Silverton, OR: Lampion Press, 2017)を紹介しました。 balien.hatenablog.com Vlach博士が本書で主張…

聖書における「イスラエル」の意味(7)ローマ人への手紙11:26について:その2

前回から、ローマ人への手紙11:26の「全イスラエルが救われる」ということの意味を考えてきています。 balien.hatenablog.com 今回はその続きとなります。トピックは以下の通りです。 3.新約聖書における「イスラエル」の意味(続き) 3–3.ローマ人への…

聖書における「イスラエル」の意味(6)ローマ人への手紙11:26について:その1

前回の記事(↓)に続き、新約聖書における「イスラエル」の意味について議論が分かれている箇所について考察していきます。 balien.hatenablog.com 今回から2、3回連続で、ローマ人への手紙11:26の「全イスラエルが救われる」という句の意味について考えて…

聖書における「イスラエル」の意味(5)ローマ人への手紙9:6について

前回では、新約聖書での「イスラエル」の登場箇所を示し、そのほとんどの箇所において旧約聖書の「イスラエル」の(民族的イスラエルという)基本的意味からは逸脱していない、ということを確認しました。 balien.hatenablog.com ですが、その中には「いくつ…

聖書における「イスラエル」の意味(4)新約聖書での「イスラエル」の登場箇所

前回(2)〜(3)までは、旧約聖書における「イスラエル」の意味を論じてきました。 balien.hatenablog.com そこで分かった旧約での「イスラエル」の用法は、以下の4つにまとめることができます。 ヤコブの別称 ヤコブの子孫である民族 その民族から成る国…

聖書における「イスラエル」の意味(3)

聖書における「イスラエル」の意味を探っていこうとするシリーズの第3回目です。 前回はモーセ五書〜バビロン捕囚以降に至るまでの「イスラエル」の意味を旧約聖書から調べていきました。その結果、この用語は最初使われたときはヤコブの別称でしたが(創32…

聖書における「イスラエル」の意味(2)

前回の記事では、「イスラエル」の意味を確立することの重要性について述べた後、その意味がどのように考えられているのか、幾人かの神学者の考えをピックアップして紹介しました。 balien.hatenablog.com これ以降は数回連続で、旧新約聖書から「イスラエル…

聖書における「イスラエル」の意味(1)

これまで、「旧約聖書の『意味』は新約聖書の啓示によって変更されたのか?」という問題について扱ってきました。この問いが関わってくる最大のテーマは、「イスラエル」という用語の意味です。「イスラエル」についての考え方(イスラエル論)は、前回まで…

福音派における普遍的問題として〈ユダヤ人伝道〉を考える:『エルサレムの平和のために祈れ』中川健一著

※本記事は以下のnote記事からの転載です。 福音派における普遍的問題として〈ユダヤ人伝道〉を考える:『エルサレムの平和のために祈れ』中川健一著|balien|note 中川健一『エルサレムの平和のために祈れ─続ユダヤ入門─』(ハーベスト・タイム・ミニストリ…

福音派のイスラエル理解(3)参考文献紹介

※本記事は以下のnote記事からの転載です。 福音派のイスラエル理解(3):参考文献紹介|balien|note 「福音派のイスラエル理解」シリーズの付録です。近年の福音派における「イスラエル論」、その中でも特に「教会-イスラエル理解」について理解するため…

福音派のイスラエル理解(2)ディスペンセーション主義編

※本記事は以下のnote記事からの転載です。 福音派のイスラエル理解(2):ディスペンセーション主義編|balien|note 福音派のイスラエル理解の中でも、比較的一致が見られるディスペンセーション主義的なイスラエル論についてまとめてみました。 「ディス…

福音派のイスラエル理解(1)メインストリーム編

※本記事は以下のnote記事からの転載です。 福音派のイスラエル理解(1):メインストリーム編|balien|note 今日、聖書を読む上で「イスラエル」を理解することの重要性の認識は、福音派の中で益々広まっているようです。ここではその流れに注目して、最近…