軌跡と覚書

神学と文学を追いかけて

雑記(文学)

私が遠藤周作を読む理由……

先日、ある方とお話しているなかで「どうして今も遠藤周作が好きなんですか」という質問をいただいた。代表作「沈黙」の映画化に伴って、クリスチャン界隈でその内容が再び問題視されたことは記憶に新しい。遠藤周作のキリスト教は聖書的キリスト教ではない…

三浦綾子と「あかしの文学」について

2017年もあっという間にクリスマスが過ぎ、気づけば本当に残り僅かとなりました。今年考えたことは今年のうちに言葉にしておいて、来年考えるテーマとしたい。そんなことを考えつつ、思い出すのはやっぱり聖書と文学を学ぶ中で浮かんできた問題。文学につい…

「誕生日の夜の回想」

はじめに 19歳になろうとしていた頃、加藤宗哉と富岡幸一郎の編集による『遠藤周作文学論集 文学篇/宗教篇』(講談社、2009年)を手に入れた。とりわけ『文学篇』の中にあった「誕生日の夜の回想」というエッセイは、私の心を掴んで離さなかった。それ以来…

福音派による文学論への待望

今年の1月、マーティン・スコセッシ監督による映画化作品の公開もあり、遠藤周作の『沈黙』が再び脚光を浴びました。私たちのようないわゆる「福音派」に属するクリスチャンの間でも、SNSで、ブログで、あるいは説教の中で、『沈黙』に対する様々なレスポン…

遠藤周作の『沈黙』について:ある遠藤マニアのクリスチャンからの視点

2017年1月26日追記:「補足:『沈黙』以降の遠藤の思想」について、実際の遠藤の著作をふまえて一部文言を修正しました。それに伴い、参考文献からの引用を含む脚注を追加しました。 カトリック作家である故・遠藤周作氏の代表作『沈黙』を原作にした、マー…