軌跡と覚書

神学と文学を追いかけて

「ユダヤ人伝道は必要ない」?(再考:その3)

今回のトピック

  • はじめに
  • 4.「神の民」について

はじめに

あるSNS上での「クリスチャンによるユダヤ人伝道は、反ユダヤ主義の一形態である」という発言を受けて、ユダヤ人伝道の必要性について再考し始めました。その理由は、第一に、私自身がいつか「ユダヤ人に伝道する必要はあるのか?」と問われた時のための準備をしておきたいと思ったからです。もうひとつの理由は、聖書全体の救済論を復習しておく良い機会だなぁと思ったからであります。

前回の記事は、こちらです。

balien.hatenablog.com

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「ユダヤ人伝道は必要ない」?(再考:その2)

今回のトピック

  • はじめに
  • 2.全ての人に対する信仰の必要性
  • 3.ユダヤ人と信仰の関係

はじめに

あるSNS上での「クリスチャンによるユダヤ人伝道は、反ユダヤ主義の一形態である」という発言を受けて、ユダヤ人伝道の必要性について再考し始めました。その理由は、第一に、私自身がいつか「ユダヤ人に伝道する必要はあるのか?」と問われた時のための準備をしておきたいと思ったからです。もうひとつの理由は、聖書全体の救済論を復習しておく良い機会だなぁと思ったからであります。

前回の記事は、こちらです。

balien.hatenablog.com

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「ユダヤ人伝道は必要ない」?(再考:その1)

トピック

  • はじめに
  • 1.用語の定義
    • (1)ユダヤ
    • (2)教会
    • (3)クリスチャン
    • (4)用語の定義に基づく考察

はじめに

ユダヤ人伝道は反ユダヤ主義の一形態?

最近、SNSで「クリスチャンがユダヤ人に伝道することは、反ユダヤ主義的な行為である」という発言を見ました。その発言の始まりは「日ユ同祖論に反対」というものだったのですが、それと同列で「ユダヤ人伝道反対」という発言がなされていたのです。発言の論旨は、以下のようなものでした。

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私の読書(9)土木技師として歩んだ、あるクリスチャンの話

高崎哲郎『〈評伝〉技師 青山士 その精神の軌跡──万象ニ天意ヲ覚ル者ハ……』(鹿島出版会、2008年)

これまで読んだ本を取り上げて、その本にまつわる思い出を書き連ねていくこのシリーズ。2ヶ月以上ぶりの更新で取り上げたいのは、クリスチャンの土木技師として明治から昭和までを生きた、青山士(あきら)という人の評伝である。

  • はじめに
  • 『評伝 技師 青山士』との出会い
  • 青山士と内村鑑三
  • クリスチャン技術者・廣井勇との出会い
  • 青山士の業績
  • 青山士の死
  • おわりに
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「字義通りの解釈」についてのあれこれ(後編)

前回の記事↓の続きになります。

balien.hatenablog.com

前回は、「字義通りの解釈」は何を意味するコンセプトなのか?ということと、「字義通りの解釈」vs「比ゆ的/霊的解釈」という対立構造の問題について申し上げました。今回の「後編」では、この問題に一歩踏み込むと見えてくる「新約聖書における旧約聖書引用の問題」について取り上げたいと思います。

トピック

  • 新約聖書における旧約聖書引用の問題
    • イスラエルの回復に関する聖書預言の解釈
    • 預言解釈のアプローチの例
    • ここには「字義通りの解釈」vs「比ゆ的/霊的解釈」という構図は見られるのか?
  • まとめ
  • おわりに
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